京大田路先生より『日本風景史』昭和堂2015をいただいた。400ページを超える大部の書であり、古代から現在まで13人の方による論考が掲載されている。全体を貫くと思われるコンセプトが共感できる。とは言え、そのコンセプトはまえがきを読んだ限りの自分の推測なのだが、それは風景とはそれを先導する社会的に共有されるヴィジョンに基づき人々が獲得していくものであるというものである。つまり風景とは社会的に共有されるという考え方である。田路先生が京大で風景論の知を共有していた中村良夫先生は私が学生の頃は東工大におり、中村先生の考えに私は大きく影響を受けていたのでおそらくこの推測は半分以上正しいと思う。