菊竹清訓の方法論
国立建築近代資料館に菊竹清訓アーカイブを見に行った。今日はA0翻訳会の予定だったがメンバーの一人天内君がインフルエンザにかかったために(おかげで)翻訳会は中止となりこうして菊竹展に来られることになった。
菊竹清訓は僕の中では作った建築もさる事ながら、建築の方法論を真面目に模索した日本で最初の建築家として輝いている。菊竹氏自ら言うように建築とは方法が存在しない工学でありそれはとても珍しいことである。それゆえ多くの人がその方法を確立しようとチャレンジしては失敗してきた(かくいう私の『建築の規則』もその一つである)。建築の方法論とは他の工学のそれのようにリジッドなものではなく、もっと緩いものである。とはいえそこにある種の原理があると僕は思い『建築の規則』を書いた。その時そのての方法論を古今東西有史以来調べた挙句に菊竹氏の閃きに出会ったわけである。そういう意味で建築の方法論を記した他の建築家として磯崎新と篠原一男は日本近代建築史において僕が最も重要と思う建築家である。
菊竹展では50ページほどのカタログがある。売っているのかと思っていくらか聞いたら無料だった。今時こんな立派なものを無料でくれるなんて凄いとは思うが、その必要はないようにも感じる。売ったらいいと思う。その中に山名先生の文章がのっておりアーカイブの重要性が謳われている。まったくである。噂によると建築家藤井 博巳の図面はすでにポンピドゥーが買い上げているとか、、、、文化庁頑張れ。