建築の条件
旧知の某編集者が私の早稲田で行っていた講義「建築の条件」をHPで知って興味を示してくれて時来所された。僕の「建築の条件」とはジェンダー、消費、視覚、主体、他者、倫理、階級、グローバリゼーションなどの社会の枠組みがいかに建築を条件づけているかを論じている。言えばカントの批判による人間悟性の条件付けのようであるしアーレントの『人間の条件』ようでもある。僕は小田部胤久の『芸術の条件』に大きく啓発されたのではあるが。
こうした条件付けは建築の限界境界線を提示しそしてどうやってその境界の向こう側へ渡れるかを探ることでもある。例えば事務所近くで真新しいビルが解体されているが、消費性に条件でづけられた建築の限界の向こう側を考えることの重要性を思うのである。