シザが若いころ家族と過ごした家についてまとめられた小さな冊子がある(『「家」とは何か―アルヴァロ・シザの原点』新建築社2014)この建物は古い建物の改修でシザもその図面を描いたとインタビュにこたえている。そして改修前後の図面が載っているのでそれを比較すると面白いことに気付く。昔の図面には無くて改修後の図面に出てくる不思議な独立柱がある。まるで白の家の柱のごとく。しかし文章を読むとこの柱はその下の階にある窓のない浴室の換気パイプであることが分かる。この無造作に露出しているパイプが謎かけのようでなんともシザらしい。加えてこの頃から不思議な巾木の連続が見られる。原風景なのだろうか?