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すでにあるものを変えられるか?

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林央子がキュレーとする「拡張するファッション」展を見に行った。数年前に彼女が著した同名の著書に登場したデザイナーの様々な作品が展示されている。しかし洋服と呼べるようなものは殆どない。唯一洋服らしい姿で展示されているのはワークショップで古着を繋ぎ合わせて作られた一般の人のイマジナリーな11の服と、これもワークショップで作られた服を職員の方自ら来ているその服くらいである。林のコンセプトは洋服と洋服じゃないものを繋ぐアーティストを紹介することである。もちろん彼らも(スーザン・チャンチオロ、コスミックワンダー、ブレス)服は作るのだろうがその服は展示されていない。
林は言う「すでにそこにあるものを繋ぎ合わせて服をつくることが気になっている」と。「すでにそこにあるもの」と言うコンセプトは建築におけるコンテクチュアリズムの発端となったエルネスト・ロジャースが使ったプレシテンツェアンビアンタリle preesistenze ambientali=環境に先在するものという概念と同じである。あるいは青木淳が言う「僕が興味あるのは僕たちの周りにすでに存在して生存している世界」という言葉にも近い。ファッションを拡張するのは新しい何かではなく既にあるものなら建築も少々それを見習ってもいい。それって別に古いものだったり貴重と思われているものの必要はない。逆につい最近のものだったり貴重と思われていないものの方がやりがいがある。要はその意味(価値)を変容できるかどうかである。

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