資本主義以外に我々は考えつかないのだろうか?
水野和夫・大澤真幸『資本主義という謎―「成長無き時代」をどう生きるか』NHK出版新書2013を読んでみた。世界は近代に入り大きな壁に向かって進んできた。スタートした時に壁があると分かっていたわけではないのだが、21世紀に入りその壁は明らかに存在していると実感できるようになってきた。そして日本のように既に壁にぶつかった国々が多くあり、中国のようにまだ壁までだいぶ距離がある国もある。元気な国があるうちにはまだなんとなく世界も活気づいているように見えるのだが、皆が壁まで来たら世界はどうなるのだろうか?皆がそういう疑問を持っているはずで、その疑問へどう答えたらいいのかそのヒントがあるかもしれないと思い読んでみたのだが、まあそんな答えが一冊の新書を読んで分かるようならだれも苦労はしないということが分かった。
それにしても経済音痴な僕としては、どうして50年前も今も我々は同じような努力をしているのにもかかわらず、その努力が報われたり報われなかったりするのだろうか?なぜ資本主義以外の経済システムは考えつかないのだろうか?といつも同じようなところを堂々めぐりしている。