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スカンジナビアン経験主義

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やっと念願のルイジアナ美術館に来ることができた。ルイジアナと言ってもアメリカではない。名前の由来は創設者の3人の奥さん(三回離婚した)がすべてルイーズだったことだとものの本には書いてある。
なぜ念願の建物かと言うと、ここでは彫刻を野外においてそれを建物内から見るように設計されている。つまりこれこそ「フレームとしての建築」を最もプラクティカルに実現していると思っていたからである。
拍子抜けなくらい思った通りの建築だった。昨日買ったDanish Architecture since 1754 の中ではデンマーク建築が1754から2007の間で10のフェイズに区切られている。デンマークと言えば僕の中ではラスムッセンの『経験としての建築』くらいしか知らなかったのだが、この本において彼はスカンジナビア経験主義(Scandinavian empiricism)と称され。ルイジアナ美術館の設計者である、Jorgen Bo, Vilhelm Wohlertはラスムッセン達の次世代のようで、経験主義に加え、contrapuntalな設計手法で(開く、閉じる、高い、低いなどの対になる性格を並置する)を用いる建築家群を形成したとのこと。
確かにそういわれると天井高さの高低や展示室の開閉のコントラストはかなり意図的に行われている。これは良くやられることだけれどかなり効くものである。
総じてとてもいい建築であることは確かだが、自分が類似した考え方を持っているだけに、批判的に見てしまう。こんな素晴らしい敷地なら自動的にこういう設計にならないとも限らないだろうなあ???なんて(とはいえ、素晴らしい湖を見せる巨大な部屋を作ってジャコメッティ2個しか置かないってなかなかできないとは思うが)。

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