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建築における山口晃体験


山口晃の『ヘンな美術史』の中で著者は伝源頼朝を最初に見た時の印象は最悪だったと書いている。その理由は教科書などで見て想像していた大きさより本物が大きすぎて間が抜けて見えたからだそうだ。ただこうしたスケールギャップも楽しみと言えなくもないと書いている。
建築もぼくらはたいてい写真で知っていて、気に入ればじゃあ見に行こうなんていうことになる。そうするとこの山口晃体験が起こりそうだが、あまりおこらない。そこには二つの理由があって、一つは点景である人や木や家具からスケールが推測できるから。二つ目は建築のデザインボキャブラリーである、建具や目地の慣習的スケールを知っていて全体の大きさが推測できるからである。
しかしまれに点景が無く慣習的ボキャブラリーも無いと一体こいつはどんな大きさ??と一瞬わからなくなる写真がある。いや写真だけではなく、そういう空間に入るとその大きさが把握できずに眩暈を起こしそうになる。そういうことをデザインの手法としてやる人もたまにいるように思う。

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