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大正を平成に読みかえる


とある企業の創業の建物が物置同然になっていたのできれいにして企業の歴史を残そうということになった。ちょうど3年前くらいだったと思うが、信大生を連れて実測調査をして図面ができたのだがそこで頓挫した。2年ほどしてまたやろうということになり今度は理科大に移った後なので、演習として研究室でスタディをした。すると本当に作ろうということになり事務所で実施設計をして春に着工してやっと足場もとれた。今日現れたファサードを初めて見ることとなった。止まったり動いたりしながらいろいろな場所でスタディが進み、いろいろな知恵が入りこんできたというのも楽しいことである。
大正時代の建物のもともとの色を復元し、実測図に則り建物の輪郭線を忠実に復元し、でも中の構造は全く変えた。ギャラリーにするので開口部もなくした。これはクライアントとかなり議論した末の結論である。大正時代をそのまま復元するのではなく、大正を平成に読み替えて継承しようというのがコンセンサスである。

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