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小ささに価値を見出せる日本人


昨日は二つの著作、平川克美『小商いのすすめ』、渡辺 真理 、 下吹越 武人『小さなコミュニティ―』に共通する「小」に注目した。今日早稲田講義の帰りにあゆみbooksで阿部和重『幼少の帝国』新潮社2012を買って昼を摂りながら読んでみた。日本のサブカルに見られる特性に成熟拒否を読みとる(ビジュアル系ロック、ヤンキー、ホスト、ロリータ、ガングロ、デコトラ)。そしてこの成熟拒否は戦後マッカーサーと並んで写された天皇の写真に端を発していると言う。マッカーサーに比べればかなり小さな天皇の姿にがく然とした日本国民は小さいことに価値を見い出さないことには神としての天皇を維持できなくなったというわけである。
まあこれは天皇を持ち出すまでもない。小さい日本人が世界に行ってコンプレックスを持たぬようにするためには小ささに価値づけをするのが手っ取り早いのである。そしてその価値づけを妥当なものとするために小ささを美的な価値へと昇華するためにさまざまな角度から挑むのである。「カワイイ」はそんな努力の結果生まれた世界的美基準の一つ。その功労者はもちろんキティちゃん。
小さい○○を評価する国なんて、まあそうあるまい。日本以外に「小さい」ことに価値を見出す国ってあるのだろうか?

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