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1000字の文章は3回「おっ」と言わせろ


午前中オフィス改装の現場へ。設計期間も施工期間も短期なので日々変転する状況の中でモノを決めて行くのは一苦労。
現場から大学へ。某出版社の編集者来研。新たな企画のご相談。学生のワークショップ体験を書籍化しようと100ページ余りのダミーを見せる。タイトルと、それに続く序の作り方が重要との指摘を受ける。全体としてはなかなか行けそうである。
ただ学生の文章が余りに面白くないのが僕の不満。「これとっちゃいますか?」と言うと「面白いかどうかですね」と言われた。
それは学生がワークショップの感想を書くページ。9チームあるので9ページある。それぞれ1000字くらいの文章なのだが、だらだら書くととても読めたものではない。そこで文章を3段落に分けてそれぞれ惹きこむ見出しを付けよと指導してきた。1カ月言い続けているのだが、誰ひとりそれに応えられていない。それどころか書く気がないのかページが埋まってない。これってどういうことだ?やる気がないの?能力がないの?指導が悪いの?ぐっと我慢して指導が悪いと反省し、指導の仕方を学ぶべく、今晩はプロの新聞記者と飯を食ってそのひどい文章を見せ指導方法を乞うた。「どう思う?このセンスの無さ」と問うたら、笑っていた。
彼曰く、見出しの付け方には二通りある。ひとつはそれを読めば本文がほぼ想像できるタイプ、もう一つはミステリアス見出しが本文を読みたいと思わせるタイプ。どちらを選ぶかはケースバイケースだと。そして本文の書き方には二つの鉄則がある。一つは最も面白いことを最初に書くこと。次に1000字の文章なら3回「おッ」と言わせること。そうしないと人は最後まで読んでくれない。
まったくそうである。ほぼ同じことを言ってきたつもりだが直らない。所詮僕は文章のプロではないので学生もまじめにやらないのかもしれない。腹は立つが仕方ない。そこでプロに来てもらおうと考えた。「悪いけれど研究室に来てくれない?ひどい文章を直々に直してくれないか?」「おう、分かった。行くよ」と言ってくれた。ありがたい。ノーギャラでプロの文章書きが来てくれるなんてこんな贅沢はあるまい。これで書けなければ指導の問題ではない。能力がないだけである。

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