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魚は痛みを感じるか?


青森出張の行きに鈴木隆雄『超高齢社会の基礎知識』講談社新書2012を読み、帰りにビクトリア・ブレイスウェイト高橋洋訳『魚は痛みを感じるか?』紀伊国屋書店(2010)2012を読んだ。65歳以上の人口が全体の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%で超高齢社会と呼ぶ。日本はすでに23%を越え優に超高齢社会だそうだ。そりゃ世界一の平均寿命の国なのだからさもありなん。
それにしてもこう言う本は一種の脅しであり、読んでいて気分のいいものではない。でも読まざるを得ない。おまえもいつか死ぬのだが、その前に病気や介護で人に迷惑かけないように疾病や介護の予防をせよというわけである。まあ予防して何とかなるようなことは何とかしよう。しかし認知症みたいな精神的なものに予防の方法はあるのだろうか?既に認知症状は十分見てとれているし。
中核症状である、抽象思考障害、判断障害は今のところ無いが、失行(自分の意志による行為ができない)、失認(対象とする事柄を正確に認識できない)、失語(言葉が適切にでてこない)はしばしば。周辺症状である妄想、幻覚、睡眠障害、徘徊、は無いけれど、不安、焦燥など不必要にしばしば、多弁、多動、暴言は飲むとひどい、依存、過食など二日酔いの時は頻繁。というわけで症状の半分は既に発生している。今からでも間に合う予防策を誰か教えて。認知症などなる前にがんにでもなって痛かったらさっさとモルヒネ打って何事もなかったようにおさらばしたいものである。
さてモルヒネと言えば次の本に面白い実験があった。正常なマスを大きな赤い岩の塊がはいった水槽に入れるとマスはその岩を回避するように泳ぐ。しかしそのマスをとりだして酢酸を注入(つまり痛みを加える)してから泳がすとこの回避行動が鈍るのだそうだ、つまり岩にぶつかりそうになる。そこでこの痛みを除去すべくモルヒネを注入してから再度泳がすとこの回避行動が正常になるそうだ。
もちろん酢酸を打たれたマスが僕らと同じような「痛ってええええええ}という情動を持っているかどうかは正確には分からない。でも様々な実験を通してそれに近い感覚をもっているはずだという推測は成り立つそうだ。これ聞くとちょっと活きづくり食えんな。

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