デモをしよう
今日は一転して夏の陽気。現場は季節外れの鶯が鳴いている。現場の往復で柄谷行人『政治と思想1960-2011』平凡社2012を読む。社会主義は倫理の問題だという言葉は目から鱗。マルキストを父に持った私は幼少のころから資本主義はオートマティックに社会主義に移行すると教わったものである。もちろんそうならなかったことは歴史の示す通りだけれど、社会主義は倫理の問題だと言われれば再度、社会(民主)主義への道は再考に値する気になる。さらに柄谷がこの本の中で強く主張しているのは「デモをせよ」である。
議会制民主主義においてはデモ(民衆の率直な意思表示)無くして政治はダメになるという彼の主張はその通りだと思う。アルゼンチンではデモは道路を練り歩くことを認められている。前に行った時も市内観光バスがデモで立ち往生して全く予定外のルートを通り降ろされた。でも誰も文句言わない。むしろデモやっている人に「がんばれー」なんて応援したりする。「こんなデモを認める政府は馬鹿なもんだ」と知人は言っていたが僕はそうは思わない。実に健全な国だと思った。
日本人も何かを率直に過激ではなく、暴力的ではなく主張すると言う健全性があるべきだと思う。そんな各自の倫理性が政治を作りだすべきだと思う。「世の中こうなっているのよ」と訳知り顔で言う輩はさっさと退場した方がいい。