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三廊下の家の検査に行ったが、、、


去年甲府に作った住宅の一年目検査に向かう。あいにくの雨だったけれど着いたら晴れてきた。暖かい。一年目検査ではいつもいくつかの不具合が見つかり、それはそれで僕らのとてもためになる勉強の場である。しかし今回は到着して「不具合が何かありますか」と聞いても殆ど何も無い。中は実にきれいに使われている。トイレはまるでギャラリーのようである(上の写真)プラスターボードにも全くクラックが入っていない。平屋だと言うのもあるのかもしれないが、一応3.11では震度5強だったそうである。
この建物はクライアントがそれまで住んでいた中廊下の形式を現代的に蘇らせるというコンセプト。そして平屋の瓦ぶき。伝統的な形はそれなりに無理が来ないということでもあるのだろうか???
外国の建築紹介サイトを見た方がこんなコメント書いてくれている。
http://cotoba.jp/2011/07/06/three-corridors-house/

甲府の往復で三浦展+SML『高円寺―東京新女子街』洋泉社2010を読んだ。昨日は吉祥寺、今日は高円寺。二つの本を読んでいると急速に中央線沿線に惹かれていく。
高円寺はモノの消費の場ではなく、人の交流の場だと言う。飲み屋で出会った者同士が仕事を融通することがあると言う。そう言えば確か高円寺のワインバーのマスターから仕事をもらったことがある。それもその人の何かではなく、その人の友達の建物である。そんなつながりができるなんて確かに素晴らしい。
さらに高円寺の魅力の中で外部階段があげられていた。外部階段はだいたい木賃アパートにつながるのだが、アパートやめてブティックになっていたり飲み屋になっていたりもする。都市の立体性やアクセシビリティが高まると言う。さらに重要なのは外部階段が直接個室にアクセスできることこそが住人の自由を保証すると言う。マンションのように、エントランスホールを通って個室に向かうのは中央集権的建物だと言うわけだ。
この発想って坂本先生の集住のキーコンセプトである。都市へのダイレクトアクセスこそが都市的な住まい方だと坂本先生は言う。江古田の集合住宅はそのコンセプトでできている。三浦展と坂本一成が共通の価値観を持っているというのも面白い。

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