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エネルギーを選ぶ時代

NHKスペシャル「日本新生」取材班『総力取材エネルギーを選ぶ時代は来るのか』NHK出版新書2011を読むと日本で自然エネルギーがなかなか作られてこない原因の大半は既存電力会社に課せられた電力安定供給の義務とその義務に胡坐をかいた怠慢によるものと理解される。
まあ結局義務と怠慢と言ってもそれを全体でコンとローする法律のメカニズムがよく考えられていないと言うのが結論ではなかろうか?となればそれは役所の知恵不足でありさっさと法律を改正し電力会社が正常な方向へ進むように考えて欲しいものだ。
この本には自然エネルギーへの転換に成功している例としてスペインとスウェーデンがあげられる。日本が自然エネルギー発電が1%程度しか確立できていない現在。スペインでは既に風力水力だけで30%近くの電気を生みだしている。これが可能となったのは自然エネルギーで生み出された電気が「固定価格」で買い取られているからだ。因みに日本はこの部分を法律で競争させている。売りたい事業者多に対し買い取り量小なので価格が下がり事業性が著しく悪い。
またスウェーデンでは電気を火力1KWいくら水力いくら風力いくらという具合に売っている。まるで水のようだ。エビアンいくら、ペリエいくらというように。好きな電気を好きなように買えるシステムを持っている。これは企業としては大きな宣伝効果を持っており、あるハンバーガー屋さんは自然エネルギー電気だけでハンバーガーを作ったら爆発的に売れたとのこと。もちろん自然電気は若干高いのだがこのように回収可能なのである。
もはや電力会社が国有化された日本では本格的にそのメリットを生かして欲しい。自然エネルギーを選択するのはもはや必然でありそのロードマップをつくるのが経産省の義務ではないか?そしてそれをできる状態にやっとなったはずである。

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