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山本理顕さんの住宅論賛成


夕刻山本理顕さんの退官記念シンポジウムを聞きに横浜へ。第Ⅰ部は伊東さん妹島さん小島さん山本さんでテーマは建築の地域性。第二部は隈さん内藤さん北山さん山本さんでテーマは「社会システムと住宅」である。両方とも3.11後のトピカルな話題。大学の会議を終えて着いたのは二部の始まったところ。着いた時は満員御礼。運よく受付やっていた大西さんが席を見つけてくれて座ることができた。
来る間際に会議中に書いて送った10+1のアンケートで3.11の教訓はと問われ、相互扶助の街の機能の必要性と書いた。シンポジウム会場では期せずして同様の話が展開していた。隈さんは徹底して住宅の私有制を否定していた。それはよーく分かる。そうかもしれない。私有制を奨励したのは国であり、そのおかげで住宅は一国の城と化し閉塞したのだ。まさに城のように。
山本さんはこれからの住宅(集合住宅)は専有部より共用部の方が大きいものとなるべきだという持論を展開していた。そりゃすごい。そんな卒業設計を今やっている学生が僕の研究室にいる。皆そういうことを少しずつ考えているのだろう。相互扶助の建築のヒントはそんなところにある。
シンポジウムの後のパーティーでは田村明さんがYGSの設立者として祝辞を述べられた。こう言う人がいるからYGSはできたのかと認識を新たにした。
パーティのお土産は未だ店頭に並んでいないという『地域社会圏主義』INAX出版2012『山本理顕の建築』TOTO出版2012。帰りの電車で読んで見た。山本さんの住宅は見世というパブリックな部分と寝間という究極のプライベートな部分で構成しトイレや風呂やキッチンは共用部というものである。これからの住み方に大きなヒントを与えると思った。
日本もラオスやカンボジアのような生活を再度見習ってもいいのかもしれない。

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