住宅作家とは?
朝一で住宅の模型を見る。1/30 の段ボール模型は頭が模型に入る。なかなかいいものである。しかし最近模型を見るたびに赤坂さんの言葉を思い出す。「模型は作らない、甘くなるから、、、、」大学のお弁当会議を終えて東京駅へ。久しぶりに新幹線に乗る。目指すは長野ではなく大阪だが。
車内で鞄を開けて驚愕。行き帰りと向こうのホテルで読もうなんて思って4冊の本を入れていたつもりだった。読みかけの9.11、コミュニティデザイン、新しいオフィスの作り方、それから脳梗塞になった東大の先生の日記。ところが恐ろしいことに4冊ともまるで手品のように違う本が入っている。ルネサンス、三島由紀夫、愚作論、イメージ。
まあ別に入れたつもりの本を今読まなければいけない必然はないからそんなことはどうでもいいのだが、自分の体が自分の意思通りに動いていなかったと言うことが問題である。体中が不随意筋でできているようなものである。
仕方ないから八田利也『復刻版現代建築愚作論』彰国社2011を読む。この本は復刻版とある通り、1961年に出た本であり八田利也(はったりや)というペンネームの主は磯崎新、伊藤ていじ、川上光秀三氏の共同体である。内容は当時の建築界の状況風刺。藤村龍二の解説では本書の主旨が建築家は「量」を問題にせよということになっているが、そうとも言い切れない。しかし当たらずとも遠からず。たとえば住宅作家をこんな風に批判する。住宅だけやっている建築家はプロではない。なぜなら住宅は食えないのだから。故に一流の(?)住宅作家と言うのは全て大学の助教授である(当時)。東大の池辺、早稲田の吉阪、東工大の清家みな一流の住宅作家にして大学の助教授である。なるほど。今日会うだろう日建のO君も住宅で学会賞とっているが、あれを仕事にしたら大赤字のはずである。
大阪では日建の方々とお会いする。2年ぶりくらいだろうか。社長以下いろいろお話させていただく。4月に大学移動したこともお伝えする。終わって新しくできた大阪駅などを見る。これは一見飛行場である。駅の上にもう一度屋根をかけようなんてそう思いつかないだろう。基本設計は日建と聞く。大屋根によって場内放送が反響しヨーロッパの駅のようである。なかなかダイナミックである。