ミドリが好きな日本人
先日、とある計画敷地前の公園を歩きながらこの建物に入ると公園(ミドリ)を感じるようにしたいと思った。そうしたら本屋に『「緑の本」女子美術大学公開講座』近江源太郎他1992という緑色の装丁の本があり思わず手に取ってみた。
そこに印象派の画家が使ったミドリの絵の具の種類があげられていた。
モネ:エメラルドグリーン、ヴィリディアン、クロームグリーン
ピサロ:エメラルドグリーン、ヴィリディアン
ルノアール:ヴィリディアン
シスレー:ヴィリディアン
セザンヌ:エメラルドグリーン、ヴィリディアン
なんだ普通なんだ。印象派はミドリなんか使わずミドリを描いていたのかと思ったのだが。
ところでこのヴィリディアンという小学校の絵の具セットにもはいっているような普通のミドリをネットでひくとこの花が登場する。ラケナリア・ヴィリディフロラという名前である。昔はこの花からミドリを絞り出していたのかもしれない。絵の具のヴィリディアンは冴えないけれどこうやって花になると素敵な色に見えてくるから不思議である。
色と言えば小澤征爾とならび世界文化賞を受賞したリカルド・リゴレッタはバラガン仕込みの色の魔術師である。UCLA時代の先生であり、彼と一緒にメキシコを1週間旅行した。彼の自邸にも行った。しかしミドリは無かった。あるのはイエロー、ピンク、パープルである。色は地縁。場所の好みと言うものがある。
先の本によると日本人はミドリが大好きだそうだ(正確に言うとミドリという概念は一番好きだが色見本帳を見せると三番くらいに落ちるらしい)。そう言えば信州大学も理科大もスクールから―はミドリである。