イサム・ノグチ
オフクロの形見の中には子供たちが贈ったものが山とある。本も多く、僕があげたものは僕が読みたかったものなのでそっくりもらって帰ってきた。その中にドウス昌代『イサム・ノグチ―宿命の越境者』上下講談社2000がある。ドウス昌代は叔母の大学の同級生で彼女の勧めでこの本をオフクロに贈った気がする。イサム・ノグチの研究家ではないから詳しいことは知らないが、やはりドウスさんのような在米日本人という立場はハーフの芸術家の調べ物をするには好都合なのかもしれない。それにしてもハーフであることこそがイサム・ノグチをしてアーティストの道へ進ませたという事実はなかなか興味深い。帰属問題から逃れるために自由の世界に没入したというのがノグチの言葉である。当時だからこそという気もする。