キャスクという悪夢
七尾和晃『原発官僚』草思社2011を読み終える。原子力エネルギーの発展がいかに政治的に役所的に経産省を中心に行われ、特にその省権の拡大のために使われてきたかがよく分かる。そしてキャスクと呼ばれる放射性廃棄物の処理をどこでやるのかという見通しがないまま60年来てしまったこともよく分かる。つまりは問題の先送りを延々してきたということである。
そしてこの震災を機にますますこのキャスク処理場の候補地は激減するであろう。広大なアメリカでもキャスク処理場が住民の反対にあって見つからないのだから、日本では国有地で閉められるような無人島のようなところしかもはや現実性がない。そしてそんな場所があるだろうか?あったとしてもそこに隣接する住民の反対は避けられない。NINBY (not in my back yard 自分の裏にはあっては困る)という言葉は世界共通である。どこかの知事が通産官僚は福島に住めばいいと言ったが私も同感である。これ以上作るならキャスクはあなたの裏庭に埋めて欲しい。