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近代の超克とポストモダニズム

朝から原稿を書くための最後の参考書、子安宣邦『「近代の超克」とは何か』青土社2008を読む。「近代の超克」とは昭和17年に行われた座談会のタイトルでありそこでは当時のグローバリズムに対するアジア的共同体の提言がなされた。これには前段があり、大東亜戦争の理念的標語である(日本の)「世界史的立場」(日本は世界史の舞台に立つ使命がある)という哲学的言説(世界史の哲学)が京都の若い哲学者によって語られ、世界にもそれを認める発言があったという。そして建築もそうした言説に右往左往しながら、世界史の建築を作らんとしたわけである。誰かが言っていたが、日本はこの時期すでにポストモダニズムを通過してしまったのでポストモダニズムの時期にはもはやその運動が盛り上がらなかったと。そんな気はしないでもない。しかしそれを言うならイタリアでもドイツでもそんなことがちょっとは起こっていたわけである。
読み終わって原稿執筆。当初4,000字と言われてそれは時間的にも内容的にもつらいということで2,400字としてもらったのだが、、、書いたら限りなく4,000字に近くなってしまった。計画能力が無い自分に呆れる。

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