津波の危険に警告を発していた高木仁三郎さん
1988年の朝まで生テレビで原発議論がなされたhttp://www.youtube.com/watch?v=yEwmEFmSi9I。その時の反原発の中心人物であった高木仁三郎が2000年に書いた『原発事故はなぜくりかえすのか』岩波新書を読んだ。高木さんは90年代に既に、古くなった原発の危険性、地震はもとより津波、火事などに起因する災害の可能性を訴えていた。もんじゅ、JCOの事故があっても抜本的なことを何もしない国のあり方を批判している。
また高木さんは東大理学部を卒業後60年代に日本原子力事業(三井系の原子力会社)で研究を始め、その当時の原子力推進民間会社の雰囲気を「議論なし、批判なし、思想なし」と書いている。原子炉周りの放射能汚染の状況を論文にして発表したら上司から理由もなく止めるように指示された。
原子力は国の方針で旧財閥系が組織されて開発を半ば強制的に後押しされた、その時事故に対する損害賠償の議論が皆無でアメリカが1957年にプライスアンダーソン法という法制度を確立したのに遅れること4年。1961年に原子力賠償法が制定された。しかしその責任限度額がアメリカは日本の10倍。そのせいでアメリカはリスクが高いと判断して企業が原子力事業から撤退しているという。一方日本は官の号令を断り切れない企業側が議論もなくずるずると継続しているのである。責任範囲が曖昧ないかにも日本的な状況である。
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