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原子力都市

午前中コニカミノルタギャラリーで今年の木村伊兵衛賞を見る。久しぶりにいい写真を見た。その足で紀伊国屋で本を物色。宅配してもらう。その中の一冊矢部史朗の『原子力都市』以文社2010を読む。矢部は現代の管理社会を批判的に論じる社会主義者である。タイトルの通り日本の社会が工業化社会から、原子力社会に移りそれがどういう事態を招いているかを旅しながら記している。ある一章は柏崎についてである。曰く「原子力都市における情報管理は、嘘と秘密を全域的、恒常的に利用する。嘘と秘密の大規模な利用は・・・・感受性の衰弱=無関心を蔓延させる・・・・原子力都市は、無関心を新たな美徳とすることで、生活環境を不可視なものに塗り替えていく」まったくそう思った。
むつ市の章にはこんな記述がある。「原子力時代の管理は、労働の剽窃ではない。この管理のモデルは、労働に根を持たないのである。・・・・生産や労働の実質を離れたはるか上空に、包括的な管理社会が登場するのである」。
今回の福島を見ながらつくづく思ったことはまさにここに書かれていたことである。一つは情報の問題。我々の関心を麻痺させていた情報管理技術。二つ目は労働とその管理の問題。それは搾取などと言う次元を超えたところに移行しているということ。労働がもっともっとちっぽけで人間の尊厳などとはなんの関係の無い所まで貶められ一方で管理は全く見えないところに浮遊してしまっているその乖離の状態。

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