1989年
竹内修司『1989年』平凡社新書2011を読む。1989年とは天皇が崩御し、天安門事件が起こりそしてゴルバチョフとブッシュがマルタ島で冷戦の終わりを宣言した年である。大喪の礼には世界の首相、大統領クラスが出席したもののソ連と中国は外相クラス以下しかよこさなかった。天皇の共産主義へのトラウマは逆の形で現れたのだが、その同じ年に冷戦は終結したと言うのはなんとも歴史の皮肉と言うべきである。
冷戦は終結しても世界には未だ共産主義は残存している。何と言っても世界の最強国の一つである中国がそうであることはある意味不思議でもある。たとえ完全な計画経済の体をなしていないとは言え共産党一党独裁の形で存在しているこの大国はいつまでこの姿を維持するのだろうか?中国に民主化は訪れないのだろうか?