« 後期近代の眩暈にリアリティを感じる | メイン | 中世は触角や聴覚の時代だったんだ »

原稿書くための資料読み

朝から『人間主義の建築』の翻訳序文にとりかかる。と言ってもそのために1980年版のディビッド・ワトキンのイントロダクションやその他の文章を読む。ワトキンのまとめではこの本の要点は4つ
1)19世紀に建築を説明したり正当化するのに使われた、倫理、生物学、機械論を否定した。
2)感情移入理論に基づく建築美学を紹介した。
3)バロックを理想的人間主義原理の表現として肯定した。
4)空間に価値を置く建築解釈を展開した。
一般にこの本は2)の意義が強調されるのだが、4)に指摘されているとおり、ドイツフォルマリズムの流れを汲み、特にヴェルフリンの影響が色濃く出ているというのは他の論文でも指摘されている。
まあこうした歴史的位置づけはよしとして、人間主義がどのように現代的文脈で意味を持つかを書くのが僕の役割であろう。それは明日考えよう。
夕方事務所に行きスタディの進行を見て打ち合わせ。夜理科大の先生たちと食事。人数が少ないから家族のようである。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/5030

コメントを投稿