レオナルド・ダ・ヴィンチの魔法の手帳
今日は前期日程の試験監督なのだが補助要員なので研究室待機。結局出番はなく一日研究室の雑用を沢山こなすことができ嬉しい誤算。午後某市役所の方が来研。こちらのお願いしていたことが結局殆ど受け入れられないという報告を受け依頼された仕事は残念ながら受けられなくなってしまった。でも仕方ない。筋の通らないことをやるわけにもいかない。
夕方五十田先生の企画してくれた最終講義に向かう。キャンパス外でやりましょうというお誘いにのり、しかも飯付き酒付きにしましょうというお誘いにものった挙句がホテルになった。なんだかホテルの宴会場と言うのは委員会のようだなあとも思ったが贅沢は言えない。こんな企画をしてくれただけで身に余る光栄である。2年生からm2そして学外の建築家まで来てくれた。レクチャ中に質問事項やら印象に残ったことを書いてもらったら僕が実行しているレオナルド・ダ・ヴィンチの「魔法の手帳」の話を挙げる人が多かった。
これはダ・ヴィンチが常に手帳を持ち歩き発見を書きとめていたという話であり、僕はそれを梅棹忠夫の『知的生産の技術』で知った。高校時代にそれを読んでからダ・ヴィンチになろうと思い(笑)「魔法の手帳」をつけ始めたのである。毎日発見がないかと夜一日を振り返る。日記ではなく発見である。発見なんてそう毎日あるわけもないのだがそれでも毎日続けた。酔っぱらった日のそれはもう滅茶苦茶な字で読めたものではないがそれでも書き続けた。そして信大通いが始まりこの手帳を持ち歩くのが重くてついにブログにしてしまったというわけである。そうしたら発見を書くのが気恥ずかしくなり日記っぽくあるいは読書感想文みたいになってしまったが発見することへの習慣は言葉にしないが今でも残っている。これは大人になって身に付けた習慣の中では(だいたい大人になって身に付けたものにろくなものはないのだが)貴重なものの一つなのである。