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どうやったら物を減らせるか

先日宇野求さんが僕は極力もの持たない主義と言っていた。持たないでデジタル機器の中に詰め込むというわけだ。渡辺真理さんが法政ではipadとkindleは大学で買ってくれると言っていた。大学は、もし先生たちが資料をデジタル化して所持してくれればこんな嬉しいことは無いはずだ。施設面積を恐らく3分の1くらい減らせるだろうから。運営費用をぐーんと下げられ、もう文科省にへこへこしなくて済む。
オフィスはだいぶ前から自分の席を作らないという考え方が主流である。自分の席とはイコールごみ溜めだからだ。自席が無ければ人は使わない資料をためこむことがないし、しょうがないからデジタル化して持ち歩かざるを得ないわけである。
先日読み始めた『SHARE-<共有>からビジネスを生み出す新戦略』には電子書籍などの話しは出てこないが無駄な消費を抑制するという意味ではこの本の主旨を体現していることである。
この本では消費抑制の方策として所有から共有を訴える。持つことが大事なのではなく使うことに意味があると言うわけだ。あれ、、その言葉、「使用から所有に」力点が移った現代建築状況に対する坂本先生の批判と同じである。しかし、所有の本質は物が所有者の本質を表す記号にもなり、その時その記号が人からの借り物であって欲しくないという欲望に関係する。
僕にも所有欲が多少ある。それは主として本である。それ以外は全くない。できればすべて借り物で安く済ませたい。着る物住む場所も全部セコハンでいいもちろん車は要らない。そして不要になったらまた再分配市場で循環させたい。しかし本だけはどうもそういう気になれないでいる。古い頭だからデジタルについていけないのかもしれないし。背表紙見ながらいろいろなことを思い出すし、ヴァールブルグじゃあないけれど本を並べ替えていろいろなことを考えたりする。そうして自分の本質が分身としてここに視覚化されているというような気にもなる。
でも僕より先輩たちがipadに熱狂しているのを見ると考えてしまう。デジタルに取り残されないようになんて考える以前に僕の書斎は既に限界にきているのだから。やはり本は電子書籍の時代なのかもしれない。そんな時代はあっという間にくるだろうなあ。後2年???
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本棚は今にゴミため化するか???

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