ロマネスク装飾発展法則
リーグルは古代オリエント、ギリシアの唐草模様の発展を『美術様式論』において探求した。バルトルシャイティスは『異形のロマネスク』においてロマネスクの唐草模様の発展を導いた。それは波状唐草→それが二つ合わさりハート型→それが横に繋がりX型という発展である。そしてさらに面白いのはこの植物から始まる装飾の発展類型の中に、動物、怪物、人間もデフォルメされて鋳造されたという点である。古代ギリシア、ローマにおいて人間の形で重要なのは比例でありそれが建築をも形づくったわけだが、中世に入り人間の形状はそうした解剖学的な比例を捨象した想像の世界の中に飛翔するのである。それは建築も同じである。もはや比例という概念では作られなくなる。
それにしてもシャイティスのこの本は気が遠くなるようなスケッチの量である。徹底して手で書きとる中にある種の法則性を見つけていった。この方法論に圧倒される。こういうやり方で現代の局面を切り取れたら面白いのだが???