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川口先生の構造と感性

川口衛先生から『構造と感性Ⅳ』法政大学建築学科同窓会2010が届く。A5の可愛らしい本である。ページ数も70ページ足らず。でも内容は濃く楽しい。磯崎さん、妹島さん、内藤さんらの名建築の構造苦労話が語られている。この本はシリーズの第四番目で木造特集。僕も見た内藤さんの日向駅も川口さんだったとは知らなかった。あれは架構だけではなくディテールまで完成されていると感じた建築だ。説明が分かりやすく、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲも読みたくなった。
夜『ことばと思考』を読む。人はことばで世界を切り分ける。ということになると、緑という言葉を持たない民族は緑を他の色と識別できないかと言うと、できるのだそうだ。なんだじゃあ人はことばで世界を切り分けてはいないのかという気になる。もっと言うと虹色の7色のことばを持っている民族と、3色のことばしか持たない民族(本当にいるらしい)ではどちらが色の識別能力が高いかというと実は3色の方らしい。ことばがある民族は連続的に変化する色相をどこかでどちらかのことばに含みいれてしまうからだそうだ。なるほどね。ことばがあるから豊かな感性を保持できるとは限らないということか。これはちょっと発見である。

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