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布一枚が隔てる空間

医者と建築家はちょっと似ている。医学には建築と同様その分野の歴史つまり医学史というものがあるそうだ、それによれば医学とは自然科学なのか行為の科学なのかそれとも術なのか時代によってその認識が変化していたようだ。(「ドイツ医学史観」アルフォンス・ラービッシュ『身体は何を語るのか』見田宗介編新世社2003所収)昨今では医学はそうした行為総体ととらえられているようだが、建築も近い。そもそも建築という行為は自然科学ではなくそれは行為である。しかるに学校というところはそういうことを全く教えようとしない。これはどういうことだろうか?医学のカリキュラムはそういうことを教えるようにできているのだろうか?
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先日ゼミで衣服のような建築を作りたいという学生がいた。体の半分は上の空間にあり体の半分は下の空間にありそれを隔てるものは布一枚というようなスケッチだった。それを見てああどこかで見たことがあると思って本棚を探していたら出てきた。Ann Hamiltonの作品だった。写真でしかしらないこの作品を僕はすごくすごく好きである。でもこれは建築になるだろうか?
今晩長野に行こうと思ったが寒くて億劫で明日朝一のアサマに載る決意で風呂につかる。読みかけの森功『同和と銀行―三菱東京UFJ汚れ役の黒い回顧録』講談社2010を読む。なかなかのルポ。銀行もこういう世界と付き合わざるを得ないそのしょうがなさがひしひしと伝わる。

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