« 構造家の資質 | メイン | 石黒さんの丁寧な講評 »

アフォーダンスの専門家にお話を聞く

7時台のアサマで大学へ。午前中4年生の卒論ゼミ。まだ形が見えない。大丈夫だろうか?午後、明日の講評会でプレゼンする学生を選ぶ。今年は小粒だ。面白いものも、手抜きでどうしようもないものも少ない。4時半から早稲田大学の三嶋先生による異分野連携レクチャー。三嶋先生のアフォーダンス理論は僕の博士論文でも多いに参考にさせていただいた。特に建築の肌理を考えるとき、それが美的な問題以上のことをアフォードしてくれることを教えてくれた。それは三嶋先生の言う肌理の拡大率の逆数Τ(タウ)によってロジカルに表されるのであった。ということを思い出しながらレクチャーを聴いていたら、今日もこのΤが重要概念として登場した。
このレクチャーシリーズは学長裁量経費をもらって去年から行ってきた。振り返れば、リーテム社長の中島さんによるリサイクルの話で始まり、2回目はコンテンポラリーダンサー信大准教授北村明子さんによるダンスワークショップ。3回目は社会福祉学の理論家かつ実践家である加賀美先生による子供の話。最後は京都造形芸大の成実先生がファッションと建築を語った。今年は農学部の北原先生が森林の話、人文学部の祐成先生が社会学から見た住宅、そしてアルゼンチンから招いたロベルト・ブスネリが文化コンテクストを語った。そして今日が最後の三嶋先生である。8回それぞれ面白かったし、2年間やり続けてきた満足感もある。およそ建築というものは諸学の蓄積の上にあり、そうした関連性を学生に伝えたかった。果たしてそんな努力は実を結んだのだろうか。学長にプレゼンして金をもらい、スケジュールをこじ開け諸先生と調整し、部屋を予約しポスターを作る。好き好んでこんなことをするのは誰のためなのかと思わなくもない。でも一番楽しんでいるのは実は僕自身なのかもしれない。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/4904

コメントを投稿