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心温まる場所

コンペの審査委員長の著作を読んでおこうと思って届いた本を開ける。細谷亮太『小児病棟の四季』岩波現代文庫2002。東北大学出て管理されるのが厭で大学に残らず病院を渡り歩き聖路加の副院長。文才もありきっと素晴らしい人なのだろう。その人となりは文章から伺える。体育会的体質が厭で外科に進まず、小児科医になったというのもいいねえ。白い巨塔をかすめて生きてきた人なのだと思う。患者との心温まるお話が50編くらい。どれもこれも涙涙、事務所で読むのははばかられる。これを読んだからってコンペの足しには正直ならないのだが、人の生があちらの世界に行く場所だと思うといろいろと考えさせられる。月並みだけれど心温まる場所にしたいなあという気持ちが強く沸く。今まで建築作るときに心温まる場所なんて想像したことも無かったからその意味ではこの本の影響力は大きいということかもしれない。

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