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‘‘おひとりさま‘‘VS‘‘フリーター‘‘

有限責任事業組合フリーターズフリー編『フェミニズムはだれのもの?―フリーターズフリー対談集』人文書院2010という対談集を読む。第一章は‘‘おひとりさま‘‘と‘‘フリーター‘‘は手を結べるかと題して、フリーターズフリーなるフリーターを考える編者グループと上野千鶴子のシンポジウムである。‘‘おひとりさま‘‘とは老後を独りで過ごす女のこと。つまり上野のことである。一方‘‘フリーター‘‘はここに登場しているフリーターグループであり35歳独身でアルバイトしている女のことである。面白いことに‘‘おひとりさま‘‘を書いた上野が批判されている。上野はこの本で「おひとりさま」に憐みをかけるなと主張している。ほうっておいてちょうだいという風に言っているらしい。フリーターグループの栗田はそう言う。しかしほうっておくということは孤立を招くのではないか、上野の理屈は強者の論理であり、弱者は藁をもすがりたいのではと批判される。これに対して上野はあまりやり返さない。まあ言おうと思えばどうにでも言いくるめられるのだろうがじっと我慢しているように見える。ゲストなのに会話量が少ない。30も下の若い独身フリーター女性の気持ちや社会状況を心から分かることの限界を感じているのだろうか?彼女の黙りはなんとなく分かるような気がする。

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