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南米のものさし

朝ゼミ。m2の修論のテーマ、引き算の建築、巣の建築化、生命、視覚的連続性、4つ。今日は時間がなくそれぞれの今後やるべきことのアドバイス。2コマ目はテレビ会議。長野、上田、伊那、松本を繋いで行う。便利と言えば便利だが、コミュニケーションはしずらい。午後3年生の製図エスキス。TAもエスキスしないと終わらないというのはちょっと厳しいねえ。6人がかり。6時7分のアサマで東京へ。車中読みかけの『中南米が日本を追い抜く日』を読み終える。その中にこんな話があった。日本の食の話である。日本の食卓に洋食が大々的に登場するのは戦後。それから半世紀でアメリカンスタンダードに染められたのだが著者はこう言う「そして今、日本は金融、市場もアメリカンスタンダードにあわせていこうとしているようにみえる。世界には、もっと違うものさしもあるのだが」。僕がアルゼンチンに言った時に感じたのはこれにかなり近い。もちろん世界には数多くのものさしがある。中国だって、インドだって、、、、しかしdeveloping countryのものさしは興味深いがそう簡単に受け入れられるものではない。それに比べれば欧米のものさしは受け入れやすい、というより既にかなり受け入れてきた。では南米はどうだろう?南米のパリと言われるブエノスアイレスだけれどパリとは全然違う。食べ物も町も建築も気候も経済も、、、、ものさしが違う。それは日本にすんなり受け入れられそうでいて欧米とは違う。欧米ほどきちきちしていないゆるーい感じである。このものさしはこれからの僕(ら)には是非欲しい何かを持っている。その意味で欧米にかぶれて成長してきた日本がもっと自分たちを相対化するのに欠かせないのが南米のものさしだと思うのである。
ところでこの本は三菱商事の社員の情報を朝日新聞記者が再構成したもの。情報はすべて三菱商事である。それでふと思い出した。その昔サッカー部の同窓会で名刺交換した先輩が三菱商事の偉い人だった。その方は日本アルゼンチン友好協会の会長もしていたし、その昔日本にサッカー番組が無い時に、「三菱ダイヤモンドサッカー」という番組を立ち上げスポンサーとなり世界のサッカーフィルムの買い付けまでしたという。凄い先輩もいるものだと思っていたが、この本を読みながら、南米最大の情報網は実は国でも新聞でもなく商社なのだということを実感した。

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