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主体の喪失


読みかけの室井尚『ポストアート論』白馬書房1988を読みながら出勤。アートにおける主体の喪失について何か書かれているだろうと読んでみたらきちんと整理されてあった。ありがたい。明後日締め切りの学会の再査読論文(私はファーストオーサーではないが)に赤を入れる。これで論文の形式としてはOKだろう。大学で設備サブコン2社のリクルーターとお話。就職委員の仕事をすると昨今の建設業界の情勢がよく分かる。午後信州共生住宅研究センターの研究発表会。総合司会をしながら発表を聞く。僕の部屋は関連する作品が少なく発表するものもポスター発表一つだけ。他の部屋では修士1年でも1年分の研究にまとまりを付けて発表している。立派なものである。帰宅の車中、河上正秀編『他者性の時代』世界思想社2005を読み始める。これも近代以降の主体の喪失について生命倫理や環境倫理などのとても建築との関連の深い部分について分かりやすく書かれている。主体の喪失はメディア技術の進展とともに不可避的に(受動的に)起こっている部分と、一方で近代主体主義(河上さんのお言葉)の弊害によって能動的に考えられている部分が現在期せずしてオーバーラップしていると思われるのだが正しいだろうか?

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