大雪の中
午前中のアズサで松本へ。車中藤岡和賀夫『さよなら大衆』PHP研究所1984を読む。アマゾンの中古で1円だった。そのせいか、中はアンダーラインで真っ赤。でもそのアンダーラインのおかげで上手に飛ばし読ませて戴いた。「さよなら大衆」とは言うまでもなく、80年代に入り、3C(カラーテレビ、自動車、クーラー)も終り、社会がこぞって何かを求める時代が幕を閉じたことを意味している。上野千鶴子が堤清二との対談で取り上げていた。今から読むと単なる状況の観察とも思えるが、自分が大学を卒業するころの状況分析かと思えば炯眼である。さらに大衆無き後の「分衆」というネーミングも悪くない。松本に着き大雪の中本部キャンパスに向かう。来年度の学長裁量経費取得のためのプレゼンである。大学院の教育改革プログラムとしてグローバリティを主軸に据え、アルゼンチンのブエノスアイレス大学とワークショップを行う提案をした。理解して頂けるだろうか?帰りも凄い雪である。八王子の直前まで車窓は白一色。一体最近の天気はどうしたのだろうか?連日雨、雪、嵐。帰りの車中は原稿作り。「永遠性と消費性」の章をひたすら打ちまくる。分からない書名やら年代は●●と逃げる。これだと衰えた記憶力に苛立つこともなく実にすいすい進む。調子に乗っていたら5000字くらい打ったところでバッテリーが切れた。
電車が立川へ着く頃、研究室の院生から電話。某設計事務所からいい知らせをもらったとのこと。やっとメジャー軍団も田舎チームの実力を正確に評価できるようになったみたいだ。