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一日事務所。12月に入ったので賀状、作品アルバムなどの作成を考え始める。今年は加えて少しキチンとしたcorporate profileそれとは別にportfolioもアップデートすることにしてT君に作成を指示。午後届いた新建築を見ると住宅設計競技に研究室の香川、新宮の共同作品が佳作に選ばれていた。めでたい。しかしなんだか白の家のような住宅である。よくよく見るとやはり白の家だった。明確なコンセプトがあればコピーすることも是とした篠原一男である。天から微笑んでいるに違いない。終バスで長野に向かう。NHKスペシャル取材班編『グーグル革命の衝撃』新潮文庫2009を読む。グーグルに関する本は数多いがNHKの取材本なので買った。NHK取材本は今まではずれたことがない。半分読んでみての驚きは人材確保の方法とその綿密さ。グーグルがここまで成長したのは二人の創業者の眼のつけどころ(検索の新たな方法の探索)によるところが大きいが、それは出発点。その後の急激な成長は人材の確保とその育て方にあるような気がした。とんでもない優秀な人間集団から厳選された人間のみがここで働き、しかし過度な競争が起こる訳でもなく自由にそして自らの研究課題に没頭できる環境が作られている。よく企業は2割の働きで維持されるというが、どうもその常識はこの会社では通用しないように思われる。2割が働き8割がやる気をなくす大きな原因の一つは2割の人間しか偉くなれない会社の階層構成にある。つまり同期入社で課長になれるのは2割だったのである。現在社会はフラット化することで半分くらいは課長(なんていう名前はもう死語かもしれないが)になれる時代ではなかろうか?きっとグーグルというところは更に徹底してフラットな組織であり、加えてとんでもない利益率はもはや職階ごとの給与格差をつける必要もなくその意味でも皆健全に働けているのかもしれない。しかしこういう企業は一発で転げ落ちるような危うさも持っているようにも感じる。もっと効率のよい広告方法を発見した会社が出た瞬間にこの地位は崩壊するのだろうから。

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