« 象VS蟻 | メイン | リヴァイアサン »

ベン・アンダーソン

午前中の「かいじ」で塩山に向かう。車中ベネディクト・アンダーソン加藤剛訳『ヤシガラ椀の外へ』NTT出版2009を読む。彼の伝記とでもいうような本である。『想像の共同体』を読んだ後だったからか、丸善の新刊コーナーで目に留った。ああいう発想をした人の生い立ちはどんなものか興味が湧いた。予想通り、生まれは中国でアメリカ経由で父の故郷アイルランド育ち、イングランドのイートンからケンブリッジに進みそしてコーネルでTAをし、東南アジアに長く(特にインドネシア)滞在し博士論文をまとめ教職に就く。物心つくまでにこれだけの地を移動しながら各地で自分の英語を笑われながら言語と国民を意識したわけである。そして『想像の共同体』はそうした経験を踏まえ反大英帝国を前提にイギリスインテリゲンチアを相手にイヤミをこめて書いたものだという。日本人には理解しにくいさまざまな隠喩や引用に満ちているのもそうした理由からだと著者は説明している。
塩山の施設では「疥癬」なる病が流行っているとのことで、打ち合わせは施設ではなく、公民館を借りて行われた。補助金がらみの県からの情報をいろいろ聞くとまあ理屈に合わないことが多い。4月に補助金の内示がおりてそこから仮宿舎の入札が可能となり、それができて既存建物が解体できてやっと工事が着工できるのが年末くらいでそれでその年度内に建物を完成させなさいということになる。こういうスケジュールは予算の編成、承認という行政の理屈からだけでできており、執行する側の立場はほぼ無視されている。こういうことは少しずつでもいいから改善されていく時期ではなかろうか??


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ofda.jp/lab/mt/mt-tb.cgi/4328

コメントを投稿