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もうすぐ終戦記念日

午前中に森美術館で開かれているアイウエィウエィの展覧会を見に行く。(展覧会の感想はコラムをご覧くださいhttp://ofda.jp/column/ )雨がひどい。ついに8月に入っても梅雨が明けない。美術館脇の展望台から見える都心の空は煙っている。展覧会場に入ると突如茶葉を固めてできた1立方メートルのキューブが置いてある。コルクのように見えるが鼻を近づけるとお茶の香り。隣には紫檀でできた同様の1メートルのキューブ。彼は現代的コンセプチャルな文脈にのるというよりもむしろしっかりとモノを作る人である。ミュージアムショップでカタログとともに牧陽一『中国現代アート』講談社選書メチエ2007を買ってカフェで読む。毛沢東時代の文化統制下でのアートの様子を読んでいると、先日提出された中国人留学生(博士課程)のレポートに書かれていた毛沢東時代の建築統制を思い出す。文革からの解放がアートではこうして実を結ぼうとしているのだが建築は未だもう少し時間がかかりそうな気がする。帰宅後一人ランチを作る。キッチンからは隣のバス会社の駐車場が見えるのだが雨が止んでいるように見える。食べながら半藤一利『昭和史戦後編』平凡社2009を読む。後編は終戦の1945年8月14日(日本では8月15日だが)から始まる。ふと父親に思いが馳せる。大正15年生まれの父はこの年はたちだった。前編の内容を生きそして成人した歳に敗戦。前編を読み終わり、ああこんな軍国化の時代を生きてきたんだと改めて考えてしまった。ではその軍国化の総決算である終戦の日をどういう気持ちで迎えたのだろうか?終戦を決定づけた御前会議では天皇は自分の身を犠牲にしても終戦(ポツダム宣言の受け入れ)を決定した。だから国民は天皇への忠心を高めたと書かれている。果たして父もそういう気持ちだったのだろうか?いつか聞いてみたいものである。

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