製図第五講評会
今日は4年生製図の講評会。これはちょっとしたセレモニーである。信大工学部で一番大きな会議室を使い、この授業とは関係ない製図の非常勤講師に来ていただき、さらにゲストを呼んで行っている。選択なので10人程度の発表だが、半期の自由課題なのでそれなりに重みもある。今日のゲストは日建の山梨さん。例によって最初の1時間ショートレクチャをしてもらう。タイトルは「ヒューリスティックアーキテクチャー」。変数を最小にして多様な形を作るというアルゴリズミックな昨今の作り方に対して、変数を最大にしてシンプルな形を作るという方法論。それによってできた建物が本当にその理由でできているかどうは別にしても、そうした工学的知の結集が意匠的な想像力のきっかけにはなるだろう。
講評会は12人が発表。毎年この製図では案が発展、結実しない。自分がエスキスしているのだからその責任の一端はもちろん自分にもある。だから来られた評者の方の批判はそのまま僕の指導力を問うものでもある。であれば僕が何を発言できようか?と思うと講評会では何も語れない。昨日はその考えで槻橋さんにお任せした。しかし今日は方針変更。やはり恥を承知で、自分の罪を自分で裁かなければと考えた。なるべく全員に今までのことは無かったかのごとく発言した。辛辣だとはしりつつ全員を批判した。そしてゲストの山梨を始め非常勤の先生たちからもポジティブな講評は無かった。
信大に来て5回目のこの製図。いい加減に何かしないとまずいなあと感ずる。坂牛研OBもやって来て講評会後の懇親会では自分の過去は棚に上げて言いたいことを言ってくれた。しかしこうした意見がないことには進歩も無い。来年はいくつかの新しいやり方を取り込みたい。