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政府の景気対策とは?

午前中某市の建築部長とお会いする。市の活性化をかけた一大改革の話を聞く。市庁舎、病院の移転。駅の改築、図書館併設。どうしてこの時期にそんな話が持ち上がるのかというと、政府が発動した景気対策の資金が地方へかなりの額回るからであり、この資金を元手にということらしい。そしてそれに乗り遅れればもはやこの市の再建は不可能と言う勢いであった。もちろんそれを基礎にという話は分かる。しかし、町づくりのヴィジョンもなく、生活の提案もなく、不要かもしれないが、マスタープランもない状態で単体の建築を作らざるを得ないという焦りだけが見て取れる。政府のバラマキ資金が経済復興だけを目的に短期的な視野で行われている姿が実感される。まさに昨日の本の感想を今日裏付けたようなもの。地方の価値を具現化するのには時間がかかるはずなのに、とりあえず在任期間にできることをやろうという発想が気に入らない。そうした発想で地方が本当に豊かに(文化的にも)なるとは思いにくい。地方自治の構造的改革が必要と思われる。地域の大学にいる以上できる限りのことはしたいとは思うのだが、、、末永くお付き合いすることを約束しお暇する。午後の製図を終え夜は研究生T君の実家設計のアドバイス。今日は模型がたくさんある。案は少しずつ面白くなってきている。やはり院を出ると一皮むけるのかもしれない。修了後すぐ自分の設計ができるのは羨ましい限りではあるが、若いころの設計は自分の原風景になり一生つきまとうものだからそれなりに心してかからなければならない。終わって中国の事務所に勤めたK君の一時帰国を祝い研究室の皆で夕食。軽く一杯。中国事情は知っているつもりだが、いろいろまた楽しい上海の話を聞く。

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コメント

本当は,そのためにみんな各地で大学を誘致したんだと思うのですけど…….行政と大学が不健全に離れちゃっているのかもしれません.行政の権限を大学に奪われることを恐れているのかもしれません.

なるほどそう言う考えもあるのですねえ。

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