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アート・インダストリー

5時にけたたましくなる目覚まし時計。寝ぼけた頭で家を出たのは5時半。成田に7時半。初めて乗るCA (china air)のカウンターは長蛇の列。8時40分発で上海時間の10時40分に着く予定が12時頃着いた。機内では遅れるなんてアナウンスは何もなく、入国審査も長蛇の列。ちょっと苛立つ。迎えの車に乗って現場に着いたのは2時半である。今年最後の施主定例に遅れてクライアントを待たせてしまった。いきなり会議で夜まで。ハードネゴだった。
車中、機中と辛美沙『アート・インダストリー』美学出版2008を読む。アートが商品としてどのように世界に流通し評価されていくのか?その実態を浮き彫りに。去年ヴェネツィアのグッゲンハイムでヨーゼフ・ボイスとマシューバーニーが2人並列に展示されているのを見たが、いったいどうしてこの2人なのかよくわからなかった。著者の説明はこうである。マシュー・バーニーはクレマスターシリーズ゙で一躍スターになったのだが、その後の拘束のドローイングは不評だったそうだ、その汚名を挽回して再度彼のポジションを確立するために、彼のギャラリーがこの展覧会を企画した。そしてボイスとバーニーを同列に位置付けることで再度バーニーの美術史上(市場)での位置を確立した。というわけだ。「美術史の文脈は自然に発生するものではない。作らなければならない。・・・・マーケットのないところに美術史など存在しない」と著者は言う。なるほどアートは本当にグローバル資本主義世界の中で立派な商品tとなってきたのであろう。もはや自動車や家電やファッションなどおよそ機能を超えたマスプロデザインアイテムと変わるものではない。いつか電通や博報堂がアートそのものを扱う日も近いし建築もそうなったっておかしくないかもしれない。

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