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午前中の講義、午後の製図を終えて東京へ、閉店間際の丸善に駆け込みめぼしい本を数冊宅配。帰宅すると頼んでおいた美術手帳12月、1月号が届いている。12月号は美術手帳60周年史。1948年の創刊からすでに700冊以上世にでている。そのすべての表紙が並べられているのが面白い。それを見ると、40年代はタイトルの下の図案が幾何学。モダニズムという感じである。その後50~60年代位までは図案の強い幾何学性は失われるものの、その形式は踏襲されていて「美術手帳」というタイトルが明瞭に分かる。これが70年代になるとタイトルはかろうじて読めるのだが、その下のデザインはイラストだったり、写真だったり、コラージュだったり多様になってくる。そして90年代タイトルの字体や大きさが毎号変わる。もはやレイアウトの形式は踏襲されない。700号の表紙の変遷はすなわちデザイン史を物語るものとなっている。
1月号は「今読むべきアートブック300」と題して未来/日本/ビジネス/批評/アーティスト/言論/感性鑑賞/美術館/制作/子ども展覧会/歴史/文学/地方/サブカルチャー/写真/建築などジャンルごとに10冊ずつがレコメンドされている。建築欄の推薦者は天内大樹氏で拙著『建築の規則』も上松先生、青木淳さん、北田さんなどの本と共に推薦していただいた。ありがたや。http://www.bijutsu.co.jp/bt/
さて300冊もあると読んだものも多々あるし、未読でぜひ読みたいものも多い。『The end of Summer Tanaka Kokih』は田中巧起の初画集だとか。見てみたい。売っているのかどうか知らないけれど津田直の新作写真集『smoke line』はモンゴルからモロッコへかけて透明な風が流れているようで興味深い。現代アートジャンルでは松井『マイクロポップ』や椹木『何にもないところから芸術が始まるは』は読。『観衆の成立』は興。日本のジャンルでは辻さん、山下さんの本は一通り読。土門拳の『風貌私の美学』は興。ビジネスジャンルでは先日『アートバブル』や『現代アートビジネス』など読。『銀座画廊物語』が興。美術批評のジャンルでは『グリーンバーグ』や『大辻清司』は読。『日本近代現代美術史事典』は多木さんと藤枝さんの監修ということで興。アーティストの身の上ジャンル。『金と芸術』は面白かった。世界のジャンルでは『vitamin d』や『ice cream』は事典として活用中。『芸術とマルチチュード』は積読。感性ジャンルさすがに半分以上読。『主体の学』『なぜ人は』『崇高』は読まねば。だいたい300冊の2割は読。2割は興。明日はアマゾンに注文。

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