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ポーラ美術館

8月12日
岡部憲明さんの設計したロマンスカーに乗って箱根に来た。来よう来ようと思ってずっと来られなかったポーラ美術館にやっと来た。建物の構成やプランは計画中からよく知っていたし、もちろん出来たものの写真はよく見ていたから来なくても分かった気になっていたが来たから感じたことがいくつかある。エントランスをはいって先ず感じた。巨大なガラススティフナーのついた斜めの透明な屋根 の開放感がとても気持ちいい。計画中は模型を見ながらちょっと無理しすぎではないかと感じていたがそうでもない。二つ目、エスカレーターを降りていく時の右側面の特注ガラス壁が分かっちゃいるけれどやはり美しい。三つ目、エスカレーターの配置と吹き抜けの大きさが丁度よいバランス。ちょうど良いバランスだと写真をとるとだいたいどれも絵になるのである。しかし一番すごいなと思ったのは、十字断面の鉄骨柱で支えられたぐらぐらのスラブが二つのレベルに浮いていてそれをガラスが繋ぐその断片的な構成である。視覚的な断片感もさることながら、建設的物理的にこれだけ断片化されると層間変位を吸収する仕組みがかなり大変なことだというのは想像に難くない。この山奥にこれだけ複雑な建物をつくるには良いゼネコンの技術者と良い設計監理者と良いクライアントの理解が必要だっただろうなあと感心することしきり。全体をまとめた安田さんの情熱と力量は言うまでも無い。

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