カラヤン
中川右介『カラヤン帝国興亡史』幻冬舎新書2008を読む。小学生のころ、カールベームのモーツァルトの交響曲全集のレコードを買った。音楽好きの叔母さんにその話しをしたら聞きに来たいと言った。しかし叔母さんが来る前に僕はこのレコードの録音が悪いのが気に入らず、ベームからカラヤンに買い換えた。カラヤンのものは最新録音でとても音が良かったのである。レコード屋さんもその頃は気軽に交換してくれた。ベームーを楽しみにやってきた叔母さんはベームがカラヤンになっているのにひどくがっかりしてあまり聞かずに帰ってしまった。まだ9つくらいの子供にはベームーもカラヤンも大差は無く、レコードの録音音質の方が重要だったのである。なんということだろうか?それ以来、カラヤンの演奏はスピーディーなだけで味が無いとなんだかおばさんの受け売りになってしまった。しかしカラヤンの来日の時にはNHKホールに聞きに言った。何を演奏したのかも忘れたので大した感動は無かったのだと思う。この本はカラヤンがいかに世界の音楽を支配したのか。いかにしてフルトベングラーの跡継ぎとなれたのか?そのあたりのカラヤンの立ち回りの上手さを記した本である。まだ読み始めだが興味深い。