撮影
11月14日
下町に建つ木造3階建ての住宅が完成し事務所検査を行なった。昨年の秋口ぐらいから設計を開始して丁度1年で完成である。僕等の事務所の仕事としては1年で完成はとても早い。普通は1年半はかかる。去年設計を始めた頃は建築に愛想を尽かすようなできごとが3つも重なり意気消沈しており、あまり細かいことに気を使うのではなくおおらかにのんびり(と言っても時間的な問題ではなく)設計したいと思っていた。そして完成して検査をしているとそんな気持ちの現れを随所に感じた。10+1のビデオ撮影に萩原さんが、竣工写真撮影に上田さんが来られた。お二人には前作角窓の家の時も来ていただいている。萩原さんからは「今年はたくさん作られましたか?」と聞かれ「いえこれ一つです」と言いながら「ああもっと作りたいなあ」としみじみ思った。上田さんは相変わらず「うわー格好いいなあ」とお世辞を言いながら6×9と新しく買ったデジカメで手際よく撮影を開始した。萩原さんは午前で撮影を終えた。このビデオ映像は10+1のウエブサイトに年末乗っかる予定。「10+1の廃刊はひどいものだ」と嘆くと「雑誌というものはいつかは終わります」と淡々と語っておられた。大人である。午後エクスノレッジの佐藤さんが来られしばらくお話した。夕刻までは撮影は中断だから丁度いい。5時頃夕景をとる。この時間はいつも忙しい。夕刻の丁度いい光は15分くらいしか無いからである。この間に3カットくらいカメラを移動しながら撮るのは見ている方もちょっと緊張するものである。