大理石
7月1日
少し梅雨らしくなってきた。涼しくていいが湿気が多いのはつらい。昨日読み始めた『知性の眼』に美術に見られる大理石という章がある。ルネサンスの時代に大理石がどれほど豪華さを演出する材料であったかが史実をもとに記されている。石は奢侈を表す材料だなんて思っているのは日本人だけだと言ってマイケルグレイブスが日本人をあざ笑ったと言う話を聞いたことがあった。実際仕事をしていると予算はなくとも玄関だけは石でやって欲しいというクライアントは多くグレイブスは正しいなんて思っていたが、なんのなんの大理石が豪華さの記号であると思っているのは日本だけではないということが分かった。夕刻久しぶりにバスで長野に。車中、渡辺裕の『考える耳』春秋社2007を読む。渡辺先生が毎日新聞に連載したコラムをまとめたもの。確かどこかの書評に柄谷行人がこの本を取り上げていた。音楽を社会の中での意味づけにおいて読み解こうと言う連載で興味深い。