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2冊の本続き

3月21日
『クオリア降臨』の続きを読む。数日前にこの本のビジュアルな展開が鼻につくようなことを書いたがやや修正である。クオリア(質感)という言葉は僕にとっては建築を考えるうえでとても重要な事柄であるせいか、その言葉が上手に解説されている本と勝手に決め込んで読み始めたのが鼻についた原因だった。しかし内容はさにあらず。とてつもなく広範囲な文化評論である。ただそのキーワードとしてクオリアがあるだけである。とにかくその知識量には圧倒される。しかしやはり最終的にクオリアの核心には迫れていないような気がする。それは僕の読解能力のせいだろうか?
続いて『書物の運命』の続きを読む。この本も著者のとてつもない活字読破量という点では共通するものを感じる。しかしその筆致はまるで異なる。前作が様々な話題に突如展開していくのに比してこちらは同じシーンがゆっくりと展開するような書き方である。この本は中東研究家の著者の読書の歴史のような本なのだが、その中には当然だが中東関係の本に対する書評なども含まれている。サイードやその論敵バーナード・ルイスを含むイスラム問題への視座を解きほぐしてくれるあたりはなるほどなるほどとただただ感心しながら読んだ。イスラム入門書でもないのにイスラム問題に関心を持たせてくれる本だった。

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