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型にはまらない

今日で院生の講義が終わった。あと少しで今年度も終わる、、、、もちろん講義など大したこはないのであって、問題は卒論と修論。大学の教師になるとこの時期が一番忙しい。それはその昔奥山からよく聞いていた。そしてそれが本当であることがしみじみ分かる。長距離走や水泳のラストスパートの部分のようなもの。一見よく似ている。しかし実は違う。スポーツはとりあえずゴールすればその苦しさから解放されるのだが、実生活というのはそんな山とは関係なく次のゴールが降って湧いてきては割り込んでくるから。
話は違うのだが、今日の院の講義はtype型についてであった。僕等の思考はおよそこの型に枠どられている。平たく言えば固定観念とか既成概念というようなものである。思考だけではなく視覚もそうである。ゲシュタルトという考え方が既にそうである。人間はあるまとまりを視覚的に認識してしまうものである。リードの『イデアとイコン』において最も府に落ちた話は「人間は視界の中である良いまとまりを捉えてしまう」というひどく雑駁な謂いであった。しかしそれはどうも真実だと言う気がする。だから実は新しい造形を生むというのは簡単な操作でできるはず。この「良いまとまり」が崩れる閾値のあたりに微妙に形をずらすということなのである。所謂型にはまらないぎりぎりのところを狙うということなのである。
言うは易しだが、、、、しかしこれは結構正しいはず。

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