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大きいこと小さいこと

去年僕の研究室を修了したF君が事務所を訪れた。仕事のことで相談ごとであった。大雨の中10時頃来て1時頃帰って行った。次の打合せが1時であることをすっかり失念し、飯を食いそびれた。打合せといってもスタッフといっしょに住宅のプランを練るというもの。気付いたら8時である。余りにお腹が減ってめまいがしてきた。帰宅して夕食をとったが体にエネルギーが広がらない。
キャンパス計画をするのに芦原義信の『外部空間の設計』を探していた。ないないと思っていたら、机のすぐ脇の本棚に発見した。良かった。その後書きに、バシュラールに啓発された芦原が大きい空間と小さい空間の対比について語っている部分を発見。そして小さい空間の本質として胎内性という言葉をあげ、これが大都市の荒廃に対抗する精神性であろうと結んでいる。大きさと小ささは僕の論文の一つの骨子でもあるし、その昔からずっと考えていることであるが30年前に既に触れられていることに普遍性を感じた。

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